勉強する気がおきないときになんとかする方法
やらなきゃいけないと分かっているのにやる気がない、やる気がどうしても起きない…という事はよくある。私自身自堕落で無気力な人間で、大学に入ってからまともに勉強してこなかった。今日の記事では勉強しなくてはいけないと分かっているのに、やる気が出ないという状況にどう対処するかという話をしたい。
注:記事の内容は、Courseraで開講されている、Learning How to Learn
というコースに沿ったものだ。詳しい内容が知りたい人は是非受講をおススメする。
やる気でとにかくなんとかしようと考えるのはやめよう
やる気というのは貴重な資源だ。やる気の量や方向性は人によってそれぞれだ。何事にも前向きにエネルギッシュに取り組む事のできる人もいれば、逆にあらゆる事に興味を持てない人もいる。どちらかというと前者の人間の方が成功しやすいというのが一般的な捉え方だろう。逆に言うとやる気が無い人間は永遠に成功できないと思われているだろう。ではやる気は何で決まるかと言うと、血中のセレトニンやらドーパミンやらのホルモンの量なのだろう。まずはやる気が無ければ人生は上手くいかないという考えを捨て去ってほしい。なぜか?というのも、こういった考えが進歩を妨げてしまうからだ。生まれ持ったやる気の有無でその後の人生が決まる…と決め込んでしまった瞬間工夫を生み出す余地が消え去ってしまう。人間がここまで発展できたのはありとあらゆる事態へと工夫してきたからだ。自分たちの学習方法それ自体にだってハックの余地はいくらでもあるのだ。今日はそんな工夫を幾つか紹介したい。とにかく、やる気だけで事態を乗り切ろうとするのだけは避けるべきだ。
成果物ではなくて過程を重視する
勉強の理由ってなんだろう?人によってまちまちだろう。私の場合は留学だし、学生の場合は週次のレポートかもしれないように、大体の人たちにはなにか出力があるはずだ。勿論、最終的にはなにかを出力しなくてはいけないのだけれど、勉強を始める前にその成果物の事を考えると辛くなってしまう。"あぁ、数学ではレポート問題を5問解かなくてはいけないのか…"とかなんとか考えるとどうしても勉強を始めるのが苦痛になってしまう。そんなときは成果物の事はとりあえず忘れて、勉強に取りかかる事が肝要だ。とはいっても、終わりの見えない道へと飛び込む事程恐ろしい事はない。成果物がいつまでに出来上がるのか具体的な見通しがないままに勉強を始める事は難しいだろう。そんなときには次に紹介するポモドーロテクニックを使ってみて、目先の25分間にのみフォーカスして作業をしてみるとよいだろう。
ポモドーロテクニック
コレは有名な話なので聞いた事ある人が殆どだろう。25分間の間集中的に作業し、5分間休憩する、というテクニックだ。ポモドーロはやる気のない時にも有効だ。嫌いでどうしようもない科目にかじりついて何時間も勉強するのは至難の技だし、絶対に続きやしない。だけど25分間なら何とかなる。たった25分間だけでいい。とにかくやってみてほしい。勉強しているうちに、始めるまえに感じていた苦痛が無くなっている事に気付くだろう。そうすれば君を妨げる物は何もない。きっと気付けばレポートも出来上がっているに違いない。
後延ばしにするのはなぜ?習慣を変える
ポモドーロテクニックを使ったとしても、やはり集中できない事だってある。つい気が散ってスマートフォンをいじったり、オナニーを始めたりして気付いたら1時間経っていた、というのは誰にでも経験があることだろう。手を止めずに集中して勉強するにはどうすればよいのだろうか?そのためにはまず自分の悪い習慣・癖を分析し直す必要がある。
習慣・癖と言うのは4つの要素からなる
- きっかけ -> 習慣的な行動に入るきっかけとなるもの(例:スマホの通知、仕事から帰ってきて緊張がほどけた瞬間など)
- ルーチン -> お決まりの行動(例:スマホゲーム、ウェブサーフィン、テレビなど)
- 報酬 -> 習慣・癖から得られる快楽
- 信念 -> 習慣・癖を変えられないのではないかという信念、考え
まずはこれらの要素を元にして自分の習慣・癖について考えてみてほしい。
習慣・癖をなんとかしたい!と思ったら、きっかけ
の部分に着目すればよい。ルーチンに入る瞬間のみにフォーカスし意志ややる気をもって、習慣や癖を退けるのだ。
結局意志を使うんじゃないか、と思うだろう。まあその通りだが、自発的に気力を持って行動をするのはこの瞬間だけで良いのだ。例えば、仕事帰りで疲れてソファーに座った瞬間に、ルーチンの様にテレビをつけて何時間も釘付けになる人の場合、テレビのスイッチをつけるその瞬間にだけフォーカスすれば良い。ただその一瞬だけだと考えるとそんなに辛くないだろう。
例えば私自身を例にとってみよう。
- きっかけ -> 性的衝動(俗にいうムラっけ)
- 習慣 -> オナニー
- 報酬 -> 性的な快楽
オナニー自体が悪い事では無いだろう。それが勉強したり、集中しているときに起きるのが問題だ。きっかけの段階で、防げばよい、と言う事は○ンコを触りだすところで、勇気をもって辞めるのが重要なのだ。○ンコを触りだしてから辞めるのは相当な気力が必要になる。至難の業だ。○ンコを触りだす瞬間、ここにだけフォーカスしてやる気をちょびっとだけ使えばよいのだ。この程度であれば精神的にずっと楽だ。
自分へのご褒美
さて、ポモドーロテクニックを駆使し、課題を先延ばしにすることなくきっちりとこなしたとしよう。そんな偉い自分を褒めてあげよう。習慣・癖からくる報酬を失ってしまった以上なにかで埋め合わせしなくてはいけない。人は報酬無しに行動を続けるのができない。必ずしも物質的な物でなくてもいいだろう。単純に自分を誇りに思っても良い。何か甘い物を買っても良いかもしれない。なんでもよいだろう。
一日で詰め込むのではなくて間隔を空けよう
学生にありがちな話だが、一日の間にガーッと詰め込んで課題を解いてしまうというやり方があるが、コレは脳科学的にはかなり悪い学習方法なんだそうだ。短期間の間に詰め込むのではなくて、長い期間に渡って何度も取り組んだ方が、学習した事が脳に残るという。なぜこの話をするかというと、やる気の話とつながるからだ。やる気を振り絞って、一日でまとめて課題を片付けるようなやり方は最低の悪手ということだ。貴重な資源であるやる気を消費した上、時間をかけて取り組んだ内容はすぐに脳から蒸発する。最初にいったように、やる気を出して短期間で頑張るとかいう体育会系的な発想から脱却しなければいけない。そんな学習方法では後には何も残らない。
最後に
最後に全く関係のない話をする。いつだったか安藤忠雄がどこかで語っていたが、昨今の大学生はやる気が無くて無気力でフワフワと漂うようにしてキャンパスライフを送っているそうだ。まあ、単にジェネレーションギャップなのかもしれないし、事実そうなのかもしれない。最近の学生が昔と比較して勉強しているのかどうかなんて興味も無いし、調べる気も起きない。
しかし、よく考えてほしい。正直、世の中には一生かかっても消費しきれないくらいの高品質な娯楽が溢れかえっているではないか。ゲーム、マンガ、映像作品、スポーツ、レジャー、ギャンブル等々。まあ富裕層からしてみればこんな大衆的な物は娯楽にも入らないのだろうけど、一般人からしてみれば十分だ。さらにそんな娯楽へと簡単にアクセスできると来たら、一体だれがお勉強に時間を費やすというのだろうか?これらの娯楽が提供してくれる快楽は即効性が強く、非常に分かりやすい。一方で、勉強や学習というものが報いるのには比較的長い時間がかかる。勉強や学習自体に意味がない、なんてまともな教育を受けた人間は思わないだろう。だけど、分かりやすい魅力に欠けているのだ。この比較は丁度、うまみ成分が強いジャンクフードと複雑な味が混じり合う天然の木いちごのようなものだ。ジャンクフードのパンチの効いた直線的な味に慣れてしまうと天然の木いちごの様な複雑で非線形的な味では物足りなくなってしまう。
娯楽に溢れかえった現代に生まれて真面目に勉強しようなんて思う方がどうかしている。若い学生達に、勉強しろしろ、などとせっついたとして、やるわけない。彼らが特段かつての世代と比べて劣っているからとか、そういった話ではない。
とりあえず、やる気が無いけど勉強しなきゃいけない人はこれらのテクニックを試してみてもいいかもしれない。
お借りした画像
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