糞の山の上ホテル

人生に絶望したコミュ障クズが、糞の山を築き上げるブログ

10月のNetflix ネタバレ感想

Exception

くっそびみょ~だった。
展開が遅い。Arcaneと似たような質感のCGアニメで、意識している部分もかなりある(ジュークボックスのシーンとか)
だが、Arcaneを見返すと、あまりにも絵の書き込みに差があることに気が付く。Arcaneは作りこみが異常なレベルなのだが、Exceptionは余白が多すぎ。宇宙船なのをいい事に省略し過ぎ。

天野喜孝のキャラクターが実際にアニメーションで動いてるのは面白かったが…坂本龍一の音楽は、個人的にはあんまりだったし、脚本もイマイチだった。遺伝情報や記憶から複製された自分たちには魂はあるのか?というクルーたちの問いも全く深掘りできず、最後まで行ってしまう。
とはいえ、フルCGのシリーズを作ろうとしたチャレンジ精神はすごいと思う。最終話の格闘シーンのクオリティを最初から出せていれば良かったのだが…まぁ、そんな予算も人手も余裕もないだろうから仕方ない。
Arcaneの作りこみの異常さを再認識できて、そういう意味では良かった。

ザ・ウォッチャー(原題:The Watcher)

ライアン・マーフィーが監督だったので、期待したけどイマイチだった。
要約すると、究極のご近所トラブル、とか、究極に陰湿なご近所とか、日本の映画やドラマではよくある題材だったので、それほど怖くなかった。
その結論に達するまでに有象無象の紆余曲折を経るのだが、それが非常にくどい。アホくさい。
色々嫌がらせで手紙を入れられてたりしました、で、だから何?って感じなんですが、銃社会アメリカだからこその怖さもあるかもしれない。
オチもまぁ普通。ホラーだとよくある感じの結末。ナオミ・ワッツという主演のおばさんが「ファックユー」って直球で面と向かって言い放つシーンしか印象に残らなかった。

ライアン・マーフィーはホラーはあんまり上手くない。アメリカンサイコホラーもそこまでだった(本国アメリカでは大人気らしいんだけどさ)。GleeとかPOSEとかヒューマンドラマの方が向いてる気がする。ホラーやりたいのは自分の意向もあるんだろうが、ライアン・マーフィーのホラーは今後は避けようかな。

モグラはダレだ!(原題:The Mole)

うーん、絶対やらせだよね。というか、ゲームの仕組み自体に欠陥があるのでは。

まずプレイヤーがとれる戦略として、自分をモグラだと思わせる方向に他プレイヤーをミスリードする、ということが考えられるが、いかんせん、この戦略が強すぎた。この戦略のリスクは、賞金額が若干減る程度のものでしかない。一方で、他プレイヤーを最後のクイズで誤答するように仕向けることで、落とすことができる。 従って、最初から妨害しまくる、あるいは適当にプレイすることになんの問題もない。
一方で馬鹿正直にプレーしているプレイヤーは、どう考えてもモグラでないため、他人のモグラ候補から外れてしまう。自分以外はミスリードしようと試みているから、他プレイヤーよりも情報量が少ない。従って、ゲーム理論的には全員が真面目にプレーするのを放棄するのが最適解となってしまう。

こういった事態を防ぐために、得票最多だったプレイヤーも同時に脱落させる、というようなルールを組み込んでも良いと思った。
こうすれば、分かりやすすぎるような妨害はなくなる。(こうなると、モグラ側が結構不利になってしまうので、モグラの人数を2人して徒党を組めるようにする、など考えられる)

また、妨害工作によりモグラ側がどれだけ儲けられるのか、という情報もあると面白かったと思う。

とかなんとか考えてると、色々なバリエーションが考えられるから、なるほど、やらせ臭いがショーのフォーマットとしては優秀なことがうかがえる。

  • 得票最多だったプレイヤーも同時に脱落させる
  • モグラが複数人いる
  • モグラ側とそれ以外のチーム戦での賞金の奪い合い
  • 視聴者に対し、途中から誰がモグラか明かされて進行していく
    • 全然的外れな推理をしているプレイヤーなどを笑う、とか

とか、色んなパターンが考えられる。

他にやらせ臭かったポイント

  • 最終的な勝者がウィリアムだった点。ウィリアムは一人だけ馬鹿正直にプレーしていて、モグラである要素が何もなかったので、他のプレイヤーの方が圧倒的に有利だった。たまたまモグラを当てられたが、なんていうか…まっとうで正直な人間が最終的には勝つというメッセージを感じてしまった。ウィリアムがモグラじゃないか、と疑う理由がなかったのに、ウィリアムに投票するプレイヤーが結構いたのも、やらせ臭い。三つ巴の状況にしたかったのかもしれないが…その演出、いる???
  • 各ミッションの制限時間ギリギリにクリアしすぎ。いくらなんでもわざとらしすぎる。たまにとかじゃなくて、ほとんどそうだった。やり過ぎ。

(2022/10/29 追記) さらに2つのシリーズを視聴した。

サイバーパンク:エッジランナーズ(原題:Cyberpunk: edgerunners)

若干SNSなどで話題になっていたので、てきと~に見てみたが、面白かった。 筆者は元ネタのゲームはプレーしていなかったが、それでも十分楽しめた。

ONI:神々山のおなり(原題:Oni: Thunder God's Tale)

やはり日本人にとって、山というのは特別な存在なのだろう。山の神や自然を主題にした作品というのは、どうにも興味を惹かれる。 本作もストーリー、映像、音楽がとにかく美しく、子供も大人も楽しめる作品になっている。 基本的には子供向けテイストで作ってあると感じたが、普遍的なテーマを取り扱っているので大人でも楽しめる作品になっている。

フルCGでありながら、ストップモーションアニメ的な映像も面白く、作り込まれた山の自然が本当に美しい。
なりどんの、ドーモ君のようなおとぼけなキャラもかわいい。音楽も、日本の民謡をアレンジしたりしていて、とても日本人の心に刺さるものになっていた。

一方で、物語の結末に若干の疑問が残る。結局のところ、物語の重要なテーマとしては、「恐怖をどう乗り越えるか?」だったと思う。にもかかわらず、最終的には親子の絆というところで話を手仕舞ってしまった。今回は、神々山の神たちは生き残ったかもしれないが、結局、鬼にどう対処していくか、という点についてはなんの解決にも至っていない。 かつて、日本人は山の中で、その恵みに感謝し、山の神を信奉していたが、時代が経るにつれ、沿岸部に人口が集中するようになった。現代において、山に対する畏敬の念を持つ人は、私も含め、ほとんどいないだろう。そんな日本人たちが、山の神に敬意を表し、開発を止めたりするだろうか?私にはそうは思えなかった。ということは、山の神達はやっぱり消えないといけないのだろうか?

最後のシーンで、おなりとなりどんが仲良く肩を寄せ合っていたが、根本的な問題は解決しておらず、どうももやもやした。まぁ、そういうめんどくさいことを考えなければ綺麗な終わり方なのだろう。どうにも、神々のその後の行く末が気になってしまった結末だった。