糞の山の上ホテル

人生に絶望したコミュ障クズが、糞の山を築き上げるブログ

【新入生必見】数学科での4年間を戦い抜くための基礎力を身につけるための書籍2選

どうも、エピックスです。

そろそろ5月に入り、大学一年生の方々におかれましては、サークル活動やらで充実した日々を送られているかと思います。 しかし、そろそろ中間試験の時期が迫ってきていることを忘れていませんか?

特に、数学の授業ではεとδのペアに悩まされている方も多いのではないでしょうか? 基底ってなんだよ…と途方に暮れている方もチラホラ出てきているのではないでしょうか?

授業についていけなくなり推薦図書を漁ってみてもチンプンカンプンだったりしませんか? あるいは、なんとか証明はフォローできても、身についた知識を試す良い問題が見つからなくて歯がゆい思いをしていませんか?

大学では良い教科書を選ぶのは非常に難しく、かつ重要な問題です。 思い返すと私も大学一年生の頃に指定された教科書が微妙だったために、基礎が覚束ないままに複素解析や代数論といった発展的な内容に進んでしまい途方に暮れていました。

私と同じ過ちを犯す学生をこれ以上増やさないためにも、大学1,2年の数学をカバーするのに参考になりそうな教科書を2つご紹介します。 正直言ってこの二冊を完璧にすれば後の4年間が非常に楽になりますよ、本当に。

解析学

解析に関しては、E.ハイラー/G.ワナーの解析教程が非常に素晴らしい教科書になっています。

解析教程・上 新装版

解析教程・上 新装版

この教科書は解析学を歴史に乗っ取って解説していくという趣旨のもので、ε-δ論法が生まれるはるか昔、代数という概念がない時代から始まり、オイラーといった15~18世紀の偉大な数学者たちの自由闊達な数学から段々と現代の厳密な数学へと移ろっていく様を見ていくことができます。

上巻では色々な級数展開が出てくるのですが、証明らしい証明というのはなく、"それっぽく"理論が展開されていきます。一方、下巻では各種の定理に関してはしっかりとした証明が付きますし、内容もかなり抽象的になってきますので、読むのにも時間がかかるようになっていきます。

単位を取るのに必要なのは下巻でだけでしょうが、上巻でのアイデアは色々なところで活用できますし、なにより読んでいて楽しいです。下巻ほど難しくなく、数学が好きな学生であれば数週間程度で読めてしまうと思いますので是非一緒に読んでみてほしいです。

線形代数

線形代数に関しては定番のG.ギルバート著の線形代数入門が良いかと思われます。

世界標準MIT教科書 ストラング:線形代数イントロダクション

世界標準MIT教科書 ストラング:線形代数イントロダクション

結構分厚いんですが、これ一冊で教養課程の線形代数はカバーしていますし、説明も非常に簡素で分かりやすいです。また、この教科書はMITの教授が実際に授業で使用したもので、その際に使用された試験問題やその解答、さらには講義ビデオまでオンラインで公開されているのです!追加でしっかり勉強したいタイプの人にお勧めです。

ocw.mit.edu

もちろん、講義ビデオは必須ではないのですが、雰囲気などを知るには良いと思います。この教科書の良いところはアメリカの入門の教科書らしく、バカ丁寧なところです。逆に地頭がよいタイプの学生には冗長に感じるかもしれません。


とりあえず二冊紹介しましたが、大学生であればどちらも図書館に行けば見つかると思いますので、実際に手に取ってみてください。気に入らなかったとしても問題ありません!教科書の好みは人それぞれなので!

皆様が自分にあった教科書を見つけ出して実りある学生生活を送られますように祈っております。

以上です。

SEから転職して年収が数百万アップした上、ワーク・ライフ・バランスが改善された話

お久しぶりです。エピックスです。

実は、最近まで留学する事を考えていましたが、色々あって取りやめて国内での転職に舵を切りました。 結果的に、タイトルの通り年収からWLBまでほぼ全ての面において改善されました!

改善点としては下記の通りです。

  1. 年収が数百万アップした。
  2. 残業時間が月平均30時間減少した。
  3. 前職と比較し、周囲がバックグランドの近い人で固められることとなり働きやすくなった。
  4. 通勤時間だけは10分ほど伸びてしまったが、勤務時間が30分短くなりました。
  5. ポジションがSEからクオンツになり、より市場価値の高いタイトルにジョブチェンジできた。

転職活動をしていて思ったのは、やはり日本は学歴社会だということと、20代であれば転職でも学歴カードは十分に活かせるということです。 勿論、学歴なんぞ能力をはかる一つのノルムでしかないが、伝統的な企業であればあるほど重視してしまうようです。

学歴がなかったとしても、現代であれば資格をきっちりとれば評価してくれる企業は山ほどあります。 SEという職に嫌気がさしている理系のバックグランドがある若手は1,2年後での転職を見据えて是非、今から活動を開始してほしいです。

結果的に転職に至らなかったとしても、そこで勉強したことは必ずあなたの人生で活きてきます! 自分も留学のために英語の勉強をしていたのですが、それが転職に役立ちました。 過去に頑張ってやったことが思いがけず活きてくるってことはよくあることです。

理系高学歴の方にオススメはデータサイエンティスト・機械学習エンジニア・クオンツといったポジションです。 特に機械学習系は人が足りないため、超絶売り手市場が続くだろうと考えられています。

転職時にきっちり自己アピールのストーリーを作るために資格をある程度揃えておいたほうが良いです。大体重要なのは下記の二点かと。

数理統計・機械学習の知識

データサイエンス系のポジションを狙うのであれば、統計検定みたいな資格があると素養の証明になります。 自分はその辺りを補強するために付け焼き刃的にCourseraのDeepLearningSpecializationをとって履歴書に書いたんですが、深い質問をされて知識の薄さが露呈することになっちゃいました。 ポジションチェンジを狙う人は、そうならないために、じっくりと学習して知識・経験をつけておくことをおすすめします!

Kaggle

ポジションチェンジを狙う人であれば、おそらくデータサイエンス系の業務経験はないでしょう。 なので、Kaggleみたいなコンペでの経験が重要になるようで、面接では聞かれることが多かったです。 まあ、単純に自分にデータサイエンスの適性があるのかどうかを判断する上でもすごくよい手段かと思います。


年収アップを目指すのであれば話は別ですが、この2つが揃っていて、かつ、ある程度の学歴があればポテンシャルで採用してもらうことは難しくないです。

他にも、英語の資格はマストではないですが、あるとベターかなと思います。クオンツのポジションを狙う人は絶対に取得したほうがよいです。英文の論文を読み込むことがほとんどなので、TOEIC(RL)で問題ないです。

自分は今回転職して本当に良かったと感じています。キャリアチェンジでの転職ということで苦労したことも多かったですが、挑戦したかいがありました。

入社1,2年目でSEにうんざりしている人が、『自分の能力をもっと活かせる職に飛び込んでみよう!』、と考えるきっかけになれば幸いです。

以上です。

#わたしの転機

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Gitを学ぶ

長期休暇中で暇なので前々から気になっていたGitをちょっと勉強してみた。

私がいた会社ではMS製のバージョンコントロールツールを使っていた。(名前出すと特定されそうだから言わないけど) 今時VisualStudioですらGitがデフォルトの時代にな〜って思ってたけど、しょうがない。(CIツールすらも導入してないしてなかったしね…)

他のバージョンコントロールツールを使って開発をした経験があると理解が大いに捗る。 自分も開発の経験がなかったころに少し触ってみたことがあるが、ブランチやステージングの意義が全くわからなかった。 下記のチュートリアルを触ってみて意味がわからないところがある人は、自分で考えるよりも知ってる人に直に教えてもらうのが良いと思われる。

下記、参考になったチュートリアル

Git Tutorial - Try Git

ステップバイステップで非常に簡便で分かりやすかった。初心者はまずこれをやれば良いと思う。 ちなみにこのチュートリアルの後に別のチュートリアルがあるが、そちらは最初のレベルだけ無料でその後は有料になっているので注意

A Visual Git Reference

Gitの各コマンドを図解しているページ。やはり図があると理解が捗る。 ある程度、VCに慣れている人向けかと思われる。

Learn Git Branching

Gitのブランチングが学べるチュートリアル。ブランチの図がついてくるのでそこそこ分かりやすい。 やたらリベース推しのようだが、リベースって微妙じゃないか?Gitでの開発経験がないが、履歴が変わってしまうのはいかがなものかと思う… 最初の方だけやって、リベースの部分はやらなくてよいと思う。

SIerを退職しました

正確にはまだ有給消化期間中で会社員ではあるものの、ようやく退職することになった。 もう二度とSIerに就職することはないだろう。

自分が就活していた時にもSIerはあまり人気のないところであることはわかっていた。 その理由が入ってみてようやくわかった。

結局彼らは誰かのビジネスにひっついているだけで傍流にしかなれないからだ。 世の中のSIerにしたって、大手企業の子会社という形態で存在していることがその証左だ。子会社の重要ポストは親会社から流れてきた人間が占めるだけ。 決してSIerに勤めている人間が主流になることはないのだ。

転職するとしてもIT業界にはいるだろうが、SIer業界からは去るだろう。 それにしても夢のない業界だ。

会社辞めます

先週上司に、年内で会社をやめて海外の大学院に行くことを伝えてきた。2回ほど面談をしたのだが、結果的にすんなり受け入れられそうな感触を得られた。

まず最初に直属の上司とその上司3人で話し合ったが、とりあえず考えなおしてくれば、というテンプレ回答を頂いてそこは終わった。
こちらとしては1年前から真剣に考えて、時間と金を投資してきているのに、その決意をいまいち受け止めてもらえなかった。
あまり詳しくは書けないが、「思いだけで行く」とか「今が辛いから辞める」とかそういう誤解された表現もチラホラ見受けられて、残念だった。
「思いだけ」ではなくて、過去に数学の修士号をとった+修論が出版されてるという経歴を活かしてのキャリアチェンジだし、「今が辛い」のは確かなんだけど、それが理由だけで辞めるわけでもないし、イマイチこちらの意図が理解されなかった。

自分があまり説明がうまくないため、思っていることを正確に伝えられなかったのもあるが、やはり価値観の違いを再認識させられた。
今の仕事に全く興味がなくて、将来的なキャリアパスも魅力がないし、あなた達とも馬が合わないから辞めるんです、って話が勿論できればそれでいいんだがそんなことは言えるはずもなく。その制約があるなか話をするのはなかなか難しかった。

ところが、更にその上にいる部長クラスの上司も合わせて話し合ったときは、行ってみてきてもいいんじゃないか、というようなポジティブな話になった。なんだかなぁ。 今の会社はR&D部隊も抱えている会社なので、上の方のクラスの方々だとそういった視点でも話ができるからなんだろうが、トーンが違いすぎて拍子抜けした。

社会人博士の道も検討してほしいと言われているが、個人的には行くつもりはない。研究テーマがない、というのと、20代最後の年なので海外に行ってみてもいいじゃないか、というのが本音。結局最後に残るのはお金の問題だけだ。

今の会社の今の部署に入ってかなり後悔しているので(完全に私の問題で、同僚の方々に非はない)、大学院選びは慎重にやりたいところだが、社会人やりながらだと時間的な制約があり辛いものだ。何はともあれ残り少ない二十代は意義深いものにしたいところ。

アメリカの博士課程

先週まではドイツなど、ヨーロッパの大学院を考えていたものの、 色々あって、アメリカの博士課程にダメ元で出願してみようかという気がしてきた。

理由は下記の通り

  • GPAは糞だが、その分野の第一人者と言われる先生方との査読付き論文を一本持っているのはアピールポイント
  • 幸い元指導教官が、アカデミアに戻ることに理解を示してくれているので、推薦状が貰えそう(世界で屈指の研究者からの推薦状がもらえるのはかなり強い)
  • そうすると奨学金がもらえるかもしれないという希望+数学系などの人文系ならTA/RAで金を稼ぐという手はあるので採用側もそこまで選別が厳しくないのではないかという希望的観測。
  • なんだかんだ言ってアメリカのアカデミアは最強だし、幅が広いのでPDでの職探しの点ではかなり有望
  • ドイツの大学院は、ほんの一部(TUMとか)を除くと微妙な選択肢なんじゃなかという気が。前回述べたような利点はあるものの、アカデミックなキャリアという点で考えるとアメリカのほうが好ましい気がしてきた。
  • 私の肌感覚としては、ヨーロッパの大学院で学位を取りましたという教授はあまり聞いたことがない。アメリカに行っていた教授はたくさん知っているが。
  • ドイツの大学院に応募するにしても来年の3月頃が応募の締め切りになるところが多い。従って、アメリカ大学院に応募した後に保険のために受ければよい。
  • 今から準備してもギリギリGREは間に合うかもしれない(実際昔から試験勉強だけは得意なので)
  • IELTSのスコアがあと6.5と微妙に足りないが、今年3月に受けた時より英会話レッスンなどを積み重ねてきているので次で受ければ OA7.0以上を取る強い自信がある。

というわけで、ヨーロッパという安易な選択肢に惑わされずに、やはり準備が大変でもアメリカの大学院を志望してみようかと思う。ダメならダメでヨーロッパに行けばよいのである。世界トップレベルの大学はたくさんあるし、ヨーロッパで学位を取得する人間があまりいないという点の希少性に繋がる(もちろん、それを具体的にどのような付加価値にできるかは私次第である)。また、やはりヨーロッパという文化的に洗礼された環境での生活は魅力的だ。その一方でアメリカと比べ国外の人間、特にアジア人を受け入れられる度量がないというのも事実なのだろうが。結局どこに行ったところで言語的なハンディを持つ以上、苦労するのは仕方ない。しかし、自分にはその苦労というのがお金を払ってでも手に入れたい価値のあるものにしか思えないのである。

というわけで今週からGRE対策+IELTS最後の追い込みを始めようかと思う。

ヨーロッパ留学計画!?

会社をやめて留学する、という目標をたてみたものの、費用がネックでいまいち踏ん切りがつかずにいた。 なにせアメリカやオーストラリアの修士課程に入れば授業料だけで年200万以上という大金が必要になるからだ。 弱小SIerでSEをやっているゴミ人間には到底出し得ない金額だ。

そんなこんなで踏ん切りがつかずにいたところ、欧州留学の話を聞いた。欧州のいくつかの国では学費が無料だとかなんとかって。 かつてはスウェーデンも学費が無料だったそうで、高名なKTHなんかに留学できればそれは素晴らしいんだろうけど、今ではアメリカの大学と変わらないくらいになってしまっている。 そこで、ヨーロッパで最も先進的な国であるドイツに留学するというプランを考えてみた。

Pros:

  1. 学費が無料!
  2. 教育の質はそれなりに高い(と言われている)
  3. 英語試験の要求レベルが英米と比較して低い
  4. 多数のコースが英語で開講されている(特に理系)
  5. ヨーロッパの中心なのでEU圏内への旅行がしやすい
  6. 経済的に安定しているし、治安もそれなり
  7. 物価が安い!

1.驚くことにドイツの大学の運営費はドイツの納税者たちによって支えられており、ほとんどの州の国立大学では学費がほぼ無料だそうだ。
2.多くの人はそう言うが、実際のところはよくわからない。ちなみに、よくある大学ランキングで見るとドイツの大学は結構低い。
個人的に大学ランキングなんていうのはアカデミアを知らない無知な若い学生を呼び寄せて学費を集金するために作られたものだと思うし、 アメリカやシンガポールの大学の中にはランキングを高めるために研究を選り好みして行っているところもあるそうだ。全ての評価メトリクスはそれ自体がやがて目標と化すということだ。とはいえやはり気になるのが人の性。
3.は地味に嬉しい。CSではIELTS6.5程度があれば大体の大学院に応募できるようだった。私が見た中では一校だけ、7.0位上を要求するところがあった。 とはいっても英語力はどんな局面でも要求されるので、低い点数で入れることが仇となることも考えられる、
4.もうれしい。フランスまでヨーロッパ各国まで飛行機で一万円で行けてしまうそうだ。そんな事情もあり、遊び呆けるのを目的にドイツの大学院に来る人間も少なくないとか。
5.はかなり重要だと思う。実際、日本みたいな平和すぎる国に暮らしている人間がいきなり治安の悪い国に行って適用できるわけがない。
6.調べて驚いたが、月1000€もあれば悠々自適に生活できるとか。この歳になって学生寮に入るのは辛いので、そこは考える必要があるが、それにしても安い。
次に欠点を考えてみる。

Cons:

  1. 文化、言語の壁
  2. アメリカのトップ校と比べたときの教育の質の差
  3. 大学のネームバリュー
  4. 卒業後の給与など

1.は正直つらいと思う。大学や研究所では英語が通じるのだろうけど、日常生活ではドイツ語が欠かせないだろうし。もっと言うとヨーロッパではアジア人はマイノリティーだし、人種差別がどの程度あるのかもよくわからない。他人種に対しての寛容度がどの程度なのか予想もつかない。トロントやバンクーバといったアジア系移民で溢れかえった都市に行けば馴染みやすいのだろうけど。
2.は実際どの程度なのか気になる。やはりアメリカの大学は集金力も高いだけあって教育の質も段違いだろうし、ここは無視できないと思う。
3.例えば、ミュンヘン工科大学と聞いてピンとくる人はどの程度いるんだろうか?ドイツの紛れもないトップ校だが、ドイツ国外でこの大学が如何ほどのところかわかる人がどの程度いるのだろうかが気になる。 まあ大学名じゃなくて、何を学ぶかだ、と言われるとそのとおりなのだが。
4.アメリカの都市部での平均給与を聞くと驚いてしまう。可処分所得や物価の差を考えると実はそんなにでもないのかもしれないが、ドイツ企業の給与はそんなに良くないそうな。特にTech関連ではやはりアメリカはバブルの最中ということもあり、桁が一つ違うとか。そう考えると、卒業後、企業に就職したい人間にとってはやはりアメリカが一番魅力的なのだろう。

なんて色々考えてみたが、やっぱりドイツはかなり魅力的だ。学費がかからない上に、ヨーロッパというエキゾチックな環境で自分の好きな勉強ができるなんてとんでもなく美味しい話じゃないか。SIerの仕事にも興味がなくなってしまったし、しがみつくほど良い待遇なわけでもない。(日立くらいの大会社勤めだったら迷うところなのかもしれないが)。失敗したらまた戻ってくればいいだけだ。というわけで近いうちに、必要書類を集めて願書を提出してみようかと考えている。

何になれたか、ではなく、何になれるのか

何気なく私が卒業した研究科のページを見ていたら見慣れた名前が載っていた。 どうやら大学院時代の同期が博士論文を提出しDefenceを終えたらしい。 3年やって論文を出すことができない人たちが多い中、2年半でしっかりと論文を書き上げたようだ。

彼の名前で検索してみると、個人ホームページが見つかった。研究活動の欄には輝かしいセミナー発表の履歴が載っていた。 方や私はSIerで日本中で数十人程度しか使わないようなマイナーなソフトの機能を開発している。その上まともに仕事も進まず残業漬けの毎日という体たらくだ。

純粋数学の研究だって、最先端は数百人、下手をすると数十人のマイナーな世界でしかないけど、なにが羨ましいって、その研究が自分のものになるってことだ。 僕が大学を卒業してから2年半がたった。ここから更に別分野の修士課程に入ることになれば、また一からやり直しだ。そう考えると頭が痛い。 彼のことを思い出して、自分が「何になれたか」という視点で考えてしまった。あのまま教授の言うとおり博士課程に進んでいれば・・・と。

どこかのブログで見たが、人間というのは「何になれたか」ということを考えるより「何になれるのか」を考えたほうが幸せになれるそうだ。 私も過去に拘泥せずに新しい一歩を踏み出すべきなんだろう・・・

気になっている本

本をもっと読みたいが時間がない。仕事で残業してる+留学準備で忙しい。時間がない、というか、これ以上色々抱え過ぎるとインプットの量が大きくなり私の小さな脳では消化しきれなくなる。ただでさえ英語の勉強+CSの自己学習があるのに、これ以上手を広げると確実に爆発する。

というわけで現時点では手が出せないが、将来的に読みたい本を備忘録的に記録しておく。仕事をやめたらこの辺を片っ端らから読みたい。


  • gödel escher bach
    内容はよくわからないが面白そう。私はこういう、読んで他人より進んだ気分になれるタイプの本が好きだ。

  • Surely You’re Joking, Mr. Feynman!
    同上。有名な物理学者が書いたエッセイらしい。

  • Walden; Or, Life in the Woods
    私の英語の先生がオススメしていた本。古き良きアメリカのとある哲学者が、2年2ヶ月2日を森の小屋で過ごしたときの回想録だそうだ。都市部で慌ただしい生活をしている私にピッタリの本だ。

  • The Master Switch
    最近某フォーラムで紹介されていたので気になった。現代では、人々は当たり前のようにインターネットという自由で開かれた情報技術を謳歌しているが、この本の著者はそのような自由はもしかすると近い将来消えてなくなるかもしれない、ということを歴史を通して伝えているらしい。過去を振り返ってみると、人類はテレコムや衛星通信といった重要な情報通信技術を発明してきた。そういった技術は黎明期においては開かれたオープンな技術であるのだが、時が経るにつれ”主導権”を握った巨大企業によりクローズドで中央管理されたものになっていったそうな。現代ではインターネットは人類の共有財産のように扱われているが、最近のネット中立性のニュースなど、雲行きの怪しい話も多い。この本を読んでWebの未来について思いを馳せてみたい、というのが読みたい理由。

  • How to Win Friends & Influence People
    自己啓発本の元祖。自己啓発本の類は好きではないが、いつの時代も原典というのはある一定の価値を保ち続けていると思うし、この本から学べることは多くありそうだ。「Win Friends」という直球のタイトルも面白い。かの大物投資家であるウォーレンバフェットも若い頃にこの本を読み、著者が主催するセミナーに参加したそうだ。

  • HILLBILLY ELEGY
    最近のトランプ旋風により一躍注目を浴びた本。白人貧困層のリアルな実態を描いた本・・・らしい。私はトランプ元候補が大統領になったのをポピュリズムだの、民主主義の限界だのと上から目線でいう日本の”知識人”の方々が嫌いだ。アメリカにはアメリカの現実があるのだろうし、それはそこに住んでいる人間でないとわからない。この本を読んでアメリカの全てがわかるとは期待していないが、現代アメリカ社会の問題点が少しでも汲み取れそうな気がしてならない。

  • Effective Java
    Javaの名著で名高い本。ソフトウェアエンジニアなら読んでみてもよいかな、と勝手に思っている。

  • Functional Programming in Scala
    Scalaの技術本。Scala、KotlinやRustといった新しい言語を学ぶ意義というのはやはりあると思う。最近C言語を触ってみたがあまりにも使い勝手が悪く驚いてしまった。使い慣れれば良いのかもしれないが、やはりプログラミング言語の進化というのは馬鹿にできないなと感じた。言語なんてなんでもいい、なんて人はSIerには多いと思うが(私の上司がそうだ)、大間違いだと思っている。Scalaがベストとは思っていないが、先進的な言語の一角であるのは間違いないし、実際に産業でも採用されている点は無視できない。この本で使われている抽象化の考え方はScalaに限ったものではないのでその点も素晴らしい。

乾燥した部屋の中、喉に違和感を覚えながら、デブがゼルダの伝説に夢中になっているのを見ながら、人間関係の在り方について考えなおす

今週のお題ゴールデンウィーク2017」

tl;drな人向け

  • GW中の予定をほとんどキャンセルしてずっと扁桃腺炎で寝込んでいた。
  • 自分のコンテキストに合っていない人間と付き合い続けることは難しい。

  • 人間関係は大事だけど、たまには考えものだ。


あれもこれもあの怠惰なデブのせいだ。いや、違う。究極的な原因は、そのデブと人間関係を持ち続けている愚かな自分にある。

事の顛末は4/30(日)から始まる。その日友人T(デブ)と泊まりで遊ぶ約束をしていた。彼はその日仕事だったので22:00頃に駅で待ち合わせその後ご飯を食べ彼の家に行った。夜の3時頃までは僕もなんとか彼と付き合っていたのだが、流石に眠くなりドロップアウト。その後、相も変わらず片付かない部屋で大音量で延々とゼルダをやり続ける彼。そんな中なんとか仮眠を取ろうとする私。当たり前の話だが眠れるわけもなく、辛くてしょうがなかった。ウトウトしながらゼルダの渾身の掛け声やゲームオーバー時のシャラ〜ンという音が何回も聞こえてきてうっとおしかった。お前、死にすぎだろ。しかも部屋の空気が乾燥しているためか、喉に違和感をおぼえる。今思えばこの時ちゃんとケアしておけばよかったのだ。結局2,3時間だけ仮眠以下の休息しか取れず、そのまま起きる。

その後朝の8時頃になりようやくゲームを終え眠ろうとする彼を放置し部屋に帰る私。このまま付き合っていても一日無駄にするだけだとわかっているからだ。

その後部屋に戻り、朝食を取り、洗濯をし、仮眠をとるなどして一日が平和に終わったが、次の日起きてみると喉の痛みが尋常でない。その時私はすべてを悟った。あぁ、また同じ過ちを繰り返してしまったのかと・・・。その日は別の友人とあう約束をしていたのだが、キャンセル。そのまま軽い朝食を取り安静にしていたのだが、症状がひどくなる一方で、熱が38.9℃まで上がる。病院に行きインフルエンザの検査を念の為してもらう。不幸中の幸いか陰性だった。抗生物質や漢方を処方してもらい家に戻りとにかくおとなしく寝ていた。味噌スープとポタージュスープで命をつなぎなんとか熱が収まり、体力が回復してきたところで今回の件に関する怒りが湧いてきた。

彼を責める気は毛頭なくて、どちらかというと自分とコンテキストが全く違う人間といつまでもダラダラと付き合い続けている自分に腹がたっている。彼は一応会社員ではあるものの少し変わった時間帯で仕事をしている人間で、仕事の開始が10時から14時頃で仕事が終わるのが22時頃なのだそうだ。なのでか知らないが、彼はいつも夜ふかししていて3時、4時に寝るのが普通なのだそうだ。今回も僕がいるのもお構いなしに延々と朝までゲームをやっていたのはそういうわけだ。一方で自分はというと仕事の時間帯は彼とそんなに変わりはない。朝の9時に開始して夜21時には上がる。とはいえ自分は夜の1時には寝るし、なるべく健康的な生活を送ろうと努めているつもりだ。そんな考え方の違う二人が一緒にいてうまくいく訳がない。別に彼の在り方を批判するつもりは毛頭ないが、一方で、自分自身の生活習慣について譲る余地も全くない。そもそも一緒にいて有意義に時間を使えているわけじゃない。いつも彼の部屋に行って、ダラダラゲームして、眠くなって自分がリタイアしても彼だけ延々とゲームを続ける。そんなのつきあい方になんの意味があるというのか。いつまでたってもポールの反対側にたっている二人なのだからさっさと見切りをつけて離れるべきなのだ。そうすれば私はGW中の貴重な5日感を無駄にせずにすんだのだ。

会社員になってからというもの人間関係が増えた。人間関係の重要性がいかに重要かということに気付かされてきた。しかし今回は逆に、人間関係を見直すことの大切さを教えてもらった。彼とは、僕が大学院生の時からの知り合いだけれども、いい加減いろいろと考えなおす時期が来ているのかもしれない。

※本文中でデブがどうのこうのと書いていますが、特に批判の意図はないです。別にデブは嫌いではないですが、本当にデブなんでそう書いたまでです。