糞の山の上ホテル

人生に絶望したコミュ障クズが、糞の山を築き上げるブログ

ダンジョン飯と、最近のファンタジー漫画に思うこと

気付いたらダンジョン飯が完結していて、Kindleで半額セールがやっていたので読んでみた。やはり九井諒子先生の実力は本物だなぁ。一方で、最近のファンタジー漫画に対して違和感を感じざるを得ない部分があるので、考えたことを記事にしておく。(好きな作品を持ち上げるために、他の作品を下げるのはあまり良くないと思うが…)

最近、巷で売れている作品というと「鬼滅の刃」や「葬送のフリーレン」などが代表的だろうか。(鬼滅の刃は数年前?に完結したから最近でもないが)どちらも売れに売れている超有名な作品だけど、正直私はどちらの作品も苦手だ。なぜかというと、時折差し込まれるコメディタッチのやり取りが、どうにも世界観とそぐわないからだ。一歩間違えれば、四肢が吹っ飛ぶような状況において、なぜボケ突っ込みのようなやり取りが発生するのだろうか、と常々疑問に思うのだ。自分は絶対に死なないという確証でもない限り、こんな緊張感のないやり取りはあり得ない。アフガニスタンイラク戦争などの紛争地域で従事する米軍兵が軽口を叩きあう場面なんかは見たことはあるが、まぁ軽口程度だし、一定の緊張感は保っている。また、ファンタジー漫画での状況というと、どちらかというと、四方八方からゲリラ攻撃が仕掛けられ、圧倒的な不利な状況、つまりベトナム戦争時に密林の中で進軍するような状況なのかなと。そんな現場にいて、果たしてこんな腐女子の想像する男子校生徒たちのやり取りのようなものが成立するのだろうか、もっと殺伐としているべきなんではないだろうか、とどうしても思ってしまう。

筆者は、ファンタジー作品が好きな方なのだが、そこに出てくる人間たちの感情や考え方はなるべく現実に沿ったものでないと、感情移入もできないし理解できないため、嫌だ。どうしても、操り人形劇を見ているような気持になってしまう。葬送のフリーレンでは、ダンジョン内で主人公のフリーレンがミミックに挟まれて「くらいよー」とか言ってる場面が時折挟まれるのだが…なんだろう…気持ちが悪いのである。ダンジョンの中ってそんなに緊張感がないものなのだろうか?また、勇者ヒンメルの「あの冒険は楽しかった」という発言もあり得ない。はっきり言うが、生きるか死ぬかの状況を振り返って「楽しかった」なんてなるわけないし、ベトナム戦争から帰還した米兵のようにPTSDになるのがオチ。そうでないなら、ヒンメルは魔族や魔物を切り刻むことで快感を覚えていたサイコパス野郎か、あるいは、自分は絶対に死なないという謎の確信があったのだろう。(後者はもしかしたらあり得るかもしれない。結局のところはすべて女神(=作者)の筋書きでしかない、とか。だとしてもフェルンなど、他キャラの態度に説明がつかない。)

その点で見ると、ダンジョン飯においては舞台設定を用いて、生死が絡む世界観とコメディタッチの作風のギャップを解消している。作品のかなり最初の段階で、「ダンジョンでは人は死んでも蘇生できる」という事が明かされる。これは、RPGゲームの設定を踏襲しているのと同時に、ダンジョンというのが一体何なのかということ設定の根幹を成す部分で、かなり重要な点にもなっている。従って、ダンジョン内では生死というのが非常にカジュアルに扱われ、魔物のような危険な存在が跋扈する迷宮に挑む冒険者たちはさながらバイト感覚で迷宮に潜るのである。それにより、主人公たちのコメディタッチのやり取りも、バイト中の軽いやり取りのように見え、筋が通るのだ。仮に死んでも蘇生すればいい、と。実際これは異常な状況であり、作品内でも人が生き返るということが尋常ではなく、冒険者たちは感覚が麻痺している、という点にナマリというキャラが他冒険者(=読者)に釘を刺している場面が出てくる。

舞台設定にうまく「蘇生」という要素を付与し、それによりピクニックのようなゆる~い旅程のように主人公たちの冒険譚を描くのは、昨今のカジュアルな雰囲気の作品を好む読者層にマッチしていると同時に、登場人物たちの行動原理・原則に破綻が無いよう配慮しているように、私は受け止めた。単純に絵が非常に丁寧でキレイで可愛いだけでない。だから、私はダンジョン飯が凄く好きなのだ。

そんなダンジョン飯も昨年で完結してしまった。途中でダレたりもしたが、きっちりと完結したので、フォローしていて良かったと思う。ハンターハンターベルセルクなど、未完で終わりそうな作品が目に付く中で、本当に素晴らしいと感じた。九井諒子先生が次にどんな漫画を描くのか、とにかく楽しみで仕方ない。

と同時に、最近のコメディータッチのファンタジー漫画がどうにかならないものかなとも思う。あ、あとゲームの世界に転生するなろう系作品と、それに対するアンチテーゼとしての「この世界は不完全すぎる」という漫画についても同じことがいえるから、こちらについても記事を書きたいなぁ。。。

10月のNetflix ネタバレ感想

Exception

くっそびみょ~だった。
展開が遅い。Arcaneと似たような質感のCGアニメで、意識している部分もかなりある(ジュークボックスのシーンとか)
だが、Arcaneを見返すと、あまりにも絵の書き込みに差があることに気が付く。Arcaneは作りこみが異常なレベルなのだが、Exceptionは余白が多すぎ。宇宙船なのをいい事に省略し過ぎ。

天野喜孝のキャラクターが実際にアニメーションで動いてるのは面白かったが…坂本龍一の音楽は、個人的にはあんまりだったし、脚本もイマイチだった。遺伝情報や記憶から複製された自分たちには魂はあるのか?というクルーたちの問いも全く深掘りできず、最後まで行ってしまう。
とはいえ、フルCGのシリーズを作ろうとしたチャレンジ精神はすごいと思う。最終話の格闘シーンのクオリティを最初から出せていれば良かったのだが…まぁ、そんな予算も人手も余裕もないだろうから仕方ない。
Arcaneの作りこみの異常さを再認識できて、そういう意味では良かった。

ザ・ウォッチャー(原題:The Watcher)

ライアン・マーフィーが監督だったので、期待したけどイマイチだった。
要約すると、究極のご近所トラブル、とか、究極に陰湿なご近所とか、日本の映画やドラマではよくある題材だったので、それほど怖くなかった。
その結論に達するまでに有象無象の紆余曲折を経るのだが、それが非常にくどい。アホくさい。
色々嫌がらせで手紙を入れられてたりしました、で、だから何?って感じなんですが、銃社会アメリカだからこその怖さもあるかもしれない。
オチもまぁ普通。ホラーだとよくある感じの結末。ナオミ・ワッツという主演のおばさんが「ファックユー」って直球で面と向かって言い放つシーンしか印象に残らなかった。

ライアン・マーフィーはホラーはあんまり上手くない。アメリカンサイコホラーもそこまでだった(本国アメリカでは大人気らしいんだけどさ)。GleeとかPOSEとかヒューマンドラマの方が向いてる気がする。ホラーやりたいのは自分の意向もあるんだろうが、ライアン・マーフィーのホラーは今後は避けようかな。

モグラはダレだ!(原題:The Mole)

うーん、絶対やらせだよね。というか、ゲームの仕組み自体に欠陥があるのでは。

まずプレイヤーがとれる戦略として、自分をモグラだと思わせる方向に他プレイヤーをミスリードする、ということが考えられるが、いかんせん、この戦略が強すぎた。この戦略のリスクは、賞金額が若干減る程度のものでしかない。一方で、他プレイヤーを最後のクイズで誤答するように仕向けることで、落とすことができる。 従って、最初から妨害しまくる、あるいは適当にプレイすることになんの問題もない。
一方で馬鹿正直にプレーしているプレイヤーは、どう考えてもモグラでないため、他人のモグラ候補から外れてしまう。自分以外はミスリードしようと試みているから、他プレイヤーよりも情報量が少ない。従って、ゲーム理論的には全員が真面目にプレーするのを放棄するのが最適解となってしまう。

こういった事態を防ぐために、得票最多だったプレイヤーも同時に脱落させる、というようなルールを組み込んでも良いと思った。
こうすれば、分かりやすすぎるような妨害はなくなる。(こうなると、モグラ側が結構不利になってしまうので、モグラの人数を2人して徒党を組めるようにする、など考えられる)

また、妨害工作によりモグラ側がどれだけ儲けられるのか、という情報もあると面白かったと思う。

とかなんとか考えてると、色々なバリエーションが考えられるから、なるほど、やらせ臭いがショーのフォーマットとしては優秀なことがうかがえる。

  • 得票最多だったプレイヤーも同時に脱落させる
  • モグラが複数人いる
  • モグラ側とそれ以外のチーム戦での賞金の奪い合い
  • 視聴者に対し、途中から誰がモグラか明かされて進行していく
    • 全然的外れな推理をしているプレイヤーなどを笑う、とか

とか、色んなパターンが考えられる。

他にやらせ臭かったポイント

  • 最終的な勝者がウィリアムだった点。ウィリアムは一人だけ馬鹿正直にプレーしていて、モグラである要素が何もなかったので、他のプレイヤーの方が圧倒的に有利だった。たまたまモグラを当てられたが、なんていうか…まっとうで正直な人間が最終的には勝つというメッセージを感じてしまった。ウィリアムがモグラじゃないか、と疑う理由がなかったのに、ウィリアムに投票するプレイヤーが結構いたのも、やらせ臭い。三つ巴の状況にしたかったのかもしれないが…その演出、いる???
  • 各ミッションの制限時間ギリギリにクリアしすぎ。いくらなんでもわざとらしすぎる。たまにとかじゃなくて、ほとんどそうだった。やり過ぎ。

(2022/10/29 追記) さらに2つのシリーズを視聴した。

サイバーパンク:エッジランナーズ(原題:Cyberpunk: edgerunners)

若干SNSなどで話題になっていたので、てきと~に見てみたが、面白かった。 筆者は元ネタのゲームはプレーしていなかったが、それでも十分楽しめた。

ONI:神々山のおなり(原題:Oni: Thunder God's Tale)

やはり日本人にとって、山というのは特別な存在なのだろう。山の神や自然を主題にした作品というのは、どうにも興味を惹かれる。 本作もストーリー、映像、音楽がとにかく美しく、子供も大人も楽しめる作品になっている。 基本的には子供向けテイストで作ってあると感じたが、普遍的なテーマを取り扱っているので大人でも楽しめる作品になっている。

フルCGでありながら、ストップモーションアニメ的な映像も面白く、作り込まれた山の自然が本当に美しい。
なりどんの、ドーモ君のようなおとぼけなキャラもかわいい。音楽も、日本の民謡をアレンジしたりしていて、とても日本人の心に刺さるものになっていた。

一方で、物語の結末に若干の疑問が残る。結局のところ、物語の重要なテーマとしては、「恐怖をどう乗り越えるか?」だったと思う。にもかかわらず、最終的には親子の絆というところで話を手仕舞ってしまった。今回は、神々山の神たちは生き残ったかもしれないが、結局、鬼にどう対処していくか、という点についてはなんの解決にも至っていない。 かつて、日本人は山の中で、その恵みに感謝し、山の神を信奉していたが、時代が経るにつれ、沿岸部に人口が集中するようになった。現代において、山に対する畏敬の念を持つ人は、私も含め、ほとんどいないだろう。そんな日本人たちが、山の神に敬意を表し、開発を止めたりするだろうか?私にはそうは思えなかった。ということは、山の神達はやっぱり消えないといけないのだろうか?

最後のシーンで、おなりとなりどんが仲良く肩を寄せ合っていたが、根本的な問題は解決しておらず、どうももやもやした。まぁ、そういうめんどくさいことを考えなければ綺麗な終わり方なのだろう。どうにも、神々のその後の行く末が気になってしまった結末だった。


【料理】ビリヤニを作るうえで参考になる情報源

数年前からビリヤニという料理にはまっている。
超有名レストラン「エリックサウス」の総料理長である稲田氏の言葉を借りると、「インド風パエリヤ」なんだが、これが美味い。
スパイスの辛味風味が米全体にいきわたっている一方で、わざと米への味付きにムラを作っていて、口に入れる度に違う味が楽しめ無限に食べ続けられる、というコメ料理の最高峰の一つ(と、勝手に思ってる)だ。

都内のインド料理屋を中心に、ビリヤニを提供しているお店を巡って色々食べていたが、遂には自分で作るようになったわけだ。

つい最近、ビリヤニの書籍が発売されたり、ビリヤニ専門店のクラウドファンディングが話題になるなど、ビリヤニ界隈がかなり盛り上がってきており、情報もかなり豊富になってきており、ビリヤニを作るハードルが一気に下がったと思う。ここらで一旦、参考になる情報をまとめておきたい。
これからビリヤニを作ってみたい人の参考になれば幸いだ。

  1. 水野仁輔氏の「ビリヤニpublications.asahi.com ビリヤニのレシピ本はこれがベストじゃないでしょうか。
    簡単なものから難しいものまで。あとコラムも面白い。インド料理界隈の有名人がこぞってレシピを提供していて多様性があり凄い!
    また、レシピではないが、稲田メソッド(ビリヤニを作るうえでの水分量の目安を図る方法)は目からうろこで、これだけでも買う価値があると思った。ビリヤニを作るとわかるが、ホントに水分量の調整が難しく、安定したクオリティを出すためにはやはりこういうベースとなる考えは必要だろう。
    初体験の方は、まずは基本のチキンパッキビリヤニとチキンカッチビリヤニがおすすめ!
    この二つは、初めての人でも作りやすいようにシンプルなレシピになっている。ビリヤニなんてこだわり続ければキリがないのに、ここまでそぎ落としていいんだ、と目からうろこ。ちなみに、個人的にはパクチーとミントも省いている。(ちょっと物足りない味になるが)

  2. アンビカショップのオンラインストア www.ambikajapan.com ビリヤニの具材はすべてここでそろう。
    初体験の方は、基本のパウダースパイス(クミン、コリアンダーターメリック、カイエン)、ガラムマサラとバスマティ米を購入すれば十分!
    あれこれスパイスを買いたくない人は、MDHのビリヤニマサラ(ビリヤニ用のブレンドスパイス)でもよいかも。(筆者は使ったことない)
    バスマティ米はいくつかブランドがあり、巷で圧倒的に人気なのはラルキラだが、個人的にはダワットやアンビカオリジナルも十分おいしい。ダワットやアンビカの米は吸水しやすいのかわからないが、ゆで時間は1分ほど短くすると丁度よく感じるなど、個体差はあり、そこは作りながら調整する必要がある。

  3. dancyu 2021年8月号 dancyu.jp カレー特集号なのだが、ビリヤニ専門店「ビリヤニ大澤」のシェフ大澤氏渾身のビリヤニレシピが載っている。
    大澤氏はビリヤニ界隈では超有名人物で、今年にクラウドファンディングで開店資金を集めることに大成功した。   引くくらい手間がかかるレシピだが、すっごい美味しい。家庭で追及できる最高のクオリティであろう。
    一方で、稲田氏による超簡単レンジビリヤニレシピも載っていて、対比が面白い。
    作ってみたけど、こちらも美味しい(もちろん鍋で作るのには敵わないが、手軽さでは圧勝)

ほかにも、以下のページは読み物として面白く、読めばもっとビリヤニが好きになるだろう。

  1. デイリーポータルZによる超有名記事 dailyportalz.jp 実際、ビリヤニ人気に火が付いたのってこの記事が原因なのでは???

  2. ビリヤニハウス大澤氏のインタビュー記事 retty.news 2021年に、クラウドファンディングで資金を集め、ビリヤニ専門店を神田にオープン(予定)の大澤氏のインタビュー記事
    大澤氏は上記の水野本でもレシピを提供しているのだが、この記事での作り方と比較してみると、色々な進化が観察されて面白い。

  3. 日本ビリヤニ協会現会長、ビリヤニ太郎さんのブログ fugutunatennis.blogspot.com 日本ビリヤニ協会(ビリヤニ布教に努める食マニアの集団)会長である、ビリヤニ太郎さんによるブログ。蛇足だが日本ビリヤニ協会の前会長はビリヤニ大澤の大澤氏らしい。 いろんなTipsや、都内のおいしいビリヤニ専門店が紹介されている(若干情報が古い)

  4. 金沢のビリヤニ専門店「ジョニーのビリヤニ」のシェフによるブログ j-biryani.com 店で出しているビリヤニの詳しい話や、店主のこだわりポイントなど、色々面白い情報があり定期的にチェックしている。
    youtubeチャンネルもあり、レシピを公開しているので、本を買うのが嫌な人はこちらを参考にしてもよいかも。(ギーやホールスパイスを使ったり、そこそこ複雑なので、素直に水野本を買うほうが良いと思うが…)
    www.youtube.com

  5. 本格カレーとビリヤニ 最速レシピ www.shufu.co.jp 香取氏によるカレーとビリヤニのレシピ本。 正直ビリヤニレシピはそれほど参考にはしなかったが、市販のフライドオニオンを使ったり、ゴボウ、ちりめん山椒といった興味深い食材を使ったレシピがあり、面白いアイデアが詰まっている。
    また、ライタ、アチャールやオリジナルコーラといったものも地味に参考になる。
    (市販のコーラは甘すぎて好きじゃないのだが、炭酸水から自作するというのは、なるほど盲点だった。)

今、ビリヤニ界隈は最高に盛り上がっており、今後もどんどんと情報が出てくるだろう。
適宜追加・更新していきたい。

【Netflix】『暗黒と神秘の骨』シーズン1の感想(若干ネタばれあり)

Netflixの新作オリジナルシリーズである「暗黒と神秘の骨(以下、S&B)」のシーズン1を見たのでその感想を書いてみた。 以下、若干のネタバレが含まれるので視聴予定の人は見てはいけない。


ファンタジーというと、ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)のようなものを想像するが、本作の舞台は小型の銃火器蒸気機関車が既に発明された19世紀初頭の文明となっている。
恐らくメインターゲットは10代の若者であり、GOTとはそういう点でも異なっている。露骨な性描写はほぼなかった。(暴力描写は多いが)
しかし、複数の登場人物のストーリーが同時並行的に進み、最終的に統合される脚本スタイルは野心的であり、GOTを強く意識していると思われる。

先に言っておくと、筆者的には、どうにも、コレジャナイ感が強かった。
実力不足か予算不足か、GOTには遠く及ばない作品になったという印象。

良かった点

  • 圧倒的な予算による豪華な美術、VFX

イマイチだった点

  • 退屈なストーリー
  • 演技がイマイチ
  • 説明不足な点がチラホラ
  • 題名がダサい

総評

なんとか見れるけど、キッズやティーン向けの作品
原作が好きならいいんじゃないだろうか。

以下でもう少し詳しく説明する。


1. 圧倒的な予算による豪華な美術、VFX

結局これに尽きる。
ネットフリックスのシリーズはいつも潤沢な予算があるおかげか、美術が異常に凝っている。
クイーンズギャンビットでも、時代に合わせた小物をきっちり用意していたが、S&Bでもそれが活かされていたと思う。
物語の世界に合わせた書籍、衣装やセットは素晴らしかった。

VFXも惜しみなく使われており、潤沢な予算がうかがわれた。
しかし、物語のキーとなる重要な生物のモデリングが野暮ったかったり、戦闘シーンでチープさを感じるシーンもあった。
予算はあるものの、詰め切れてない印象が残った。

とにかく遅い展開

まぁ、トレーラーを見ると大体どういうストーリーかは想像つくし、ほんとにその通りに進むので、序盤はマジで退屈だ。
アリーナが実は魔法が使える⇒王宮に連れてかれて魔法の訓練を受ける⇒自由に魔法が使えるようになる、というところでようやくストーリーが動きだすのだが、すでにこの時点でシリーズの半分を費やしてしまっている。
それを補うために、カズやマルのストーリーも並行して進むのだが、メインのストーリーがつまらなさすぎる。
アリーナとマルの幼少期の回想もちょいちょい挟み込まれ、主人公の内面を掘り下げようとするが『見た目がシュー人っぽくて、若いころから差別を受け疎外感を感じて生きてきたけど、マルだけはずっと一緒でした~。イェイ✌』というだけで正直あんまり深くない。
この程度の内容に結構な時間を割く必要があったのだろうか。ブレイキング・バッドの過去回想みたいに、軽くにおわす程度でよかったんじゃないか。
ティーン向けなので、その辺はあからさまに描きたかったのかもしれない。

演技がイマイチ

若いキャストが多いせいか、少し青臭い演技が多かったように感じる。
セリフもちょっと不自然な感じで、やはりティーン向けという印象が強い。

説明不足だった点

色々あるが、代表的には以下の二点

地理関係

S&Bでは地理に関する説明が少なく、ラブカはどの程度広い国なのか、ほかにどんな国があって、どういう風に国境に接しているのかという説明が全くない。
もちろん、登場人物たちがいきなり世界地図を広げてあれこれ話をし始めるのは不自然すぎるのでやめてほしいが、もう少し自然に説明ができなかったのか。
GOTはオープニングを上手いこと使って、世界の地理や状況を描写していたが、あれは本当に素晴らしかった。

敵国の魔女狩り部隊が神出鬼没し、ラブカ国内?で交戦になる描写が何回かあった。
普通に考えたら、敵国の部隊が国境を越えてあちこちに現れるってやばいわけだが、地理関係をはっきりと説明しないことで、このヤバさを誤魔化したのかもしれない。
重要人物(主人公アリーナ)を運ぶ最中にも襲撃に会うわけだが、これも普通に考えるとヤバい。
自国の道で安全が確保されてなくて、重要人物の移送もできないって、どういうことだ????
内通者の手引きとかいろいろあったのかもしれない。
(そういう説明は一切なく、「遠くからでも光が見えた」とかガバい説明しかなかったのも気になった。いろいろ詰めていくとマジでガバい。)

地理関係がよくわからないから、世界をうまく想像できないし、いまいち状況が把握しにくいのは非常につらかった。
※一応原作からの地図はあった。↓
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グリーシャについて

グリーシャという、いわゆる魔法使いが出てくるのだが、その起源などについては軽くしか触れられなかった。
グリーシャたちが使う魔法は、微小科学という科学の一種のようで、おそらく物語の重要な要素と思われるのだが、詳しい背景については語られない。
そもそも科学って属人性を排して、だれでも再現性をもって同じ結果を担保できるものを指すと思うが、グリーシャは生まれつきっぽい。
グリーシャと科学って真っ向から相反するように見えるが、これは次シーズン以降で掘り下げがあると期待したい。


蛇足だが、本国アメリカでは概ね肯定的な評価のようだ。 www.rottentomatoes.com www.imdb.com

LINEを捨て、最強メッセンジャーアプリSignalを使おう

最近のLINEの騒動で、LINEを使っている人は色々と不安に感じているだろう。
Signalという米国発の最強メッセンジャーアプリはLINEの上位互換でよいところがたくさんあるのでまとめを兼ねて紹介する。
センシティブな情報をやり取りする場合に限らず、LINEやその他のメッセンジャーではなく、Signalを使うことを勧めたい!!!

出典:iphone-mania

具体的にSignalの良い点を挙げてみた。

  1. LINEよりも強力な暗号化、プライバシーへの配慮
  2. 広告がない
  3. スタンプ使いたい放題
  4. オープンソース
  5. 無料

それぞれのポイントについて、具体的に見ていこう


1. LINEよりも強力な暗号化、プライバシーへの配慮

そもそもLINEで行われている通信ではどのような暗号化がなされているのだろうか? まずは、チャットアプリで標準的に導入されているE2E暗号化について説明する。

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E2EE
基本的にチャットアプリは、サービスを提供している企業のサーバーを介してだれかとメッセージを行う。 上の画像の例では、BobがAliceにメールを送るが、途中でサーバーを通る。 従来のように単にHTTPSを使って通信した場合は、Bob<->Server, Alice<->Serverの間の通信が暗号化されるだけだが、E2E暗号化はもっと強力で、Server上では通信内容を一切復号できないようなる。
E2EEがうまく機能すれば、Serverの提供者はBobとAliceがどんな通信を行っているのか一切わからないわけだ。 本当は、他にも前方秘匿性やら後方秘匿性などを保証する云々という話があるが、難しいので割愛する。 Wikipediaのまとめを見ても良いかもしれない。
ja.wikipedia.org

では、具体的にチャットアプリはどうやってE2E暗号化を実現しているのか?
主要なメッセンジャーアプリ(Whatsapp, Telegram, iMessageなど)は、Signalの開発者が開発したSignalProtocolというものを用いている。もちろん、Signal自身でもこの方式が採用されている。Signalの暗号化方式は世界標準、ということだ。 さらに、この方式は具体的な内容がしっかりと公開されており、世界中の研究者にも検証されている

www.signal.org

一方LINEはどうかというと、独自のLetterSealingというものを採用しているらしい。

help.line.me

具体的にどのような実装なのかは、LINE社の人間にしかわからない。従って、検証も限られたものになる。
正直言って、LINE社のセキュリティへの意識を考えると、LetterSealingなる方式は全く信用できない、と言っていいと思う。
そもそも暗号論では、「自分で実装するな」というのが常識で、独自の方式を採用することはセキュリティリスクでしかないわけだ。 にもかかわらず、LINEはわざわざ自社の独自方式を採用しているわけだ。おかしくないだろうか??? しかもLINEのLetterSealingで暗号化されるのは、

  • テキストメッセージ
  • 位置情報
  • 1:1音声⋅ビデオ通話

だけだ。
したがって、トーク内で送ったスタンプや動画、画像などは全てLINE社にもわかるわけだ。 動画や画像が保存されることにより、アルバムといったLINEの機能で管理できるため、便利な側面もあるかもしれない。 しかし、今回の騒動でLINE社のセキュリティ意識の低さが明るみになったことを考えると、自分や友人の情報をLINE社のサーバーに保存するのは大きなリスクと言えよう。

2. 広告がない

ご存じの通り、LINE社は東証一部にも上場している(た)営利企業だ。 さらに、以前の記事でも紹介したが、LINEは最近トーク画面にも広告を入れ始めた。

LINEの広告

LINE社は収益の大部分を広告に依存しており、絶対に広告をなくすことはあり得ない。

一方で、Signalを開発しているSignalFoundationは非営利団体であり、暗号化方式の推進やSignalの開発が目的で設立された。費用などは財団の設立者、他の非営利団体からの資金拠出や寄付で成り立っている。
Signalの成り立ちや目的から考えると、個人のプライバシーを侵害するような広告はおそらく今後もつかないだろう。

3. スタンプ使いたい放題

Signalでは、プライバシーステッカーを自由に作ることができる。 support.signal.org

LINEで使っているスタンプを取り込んで使うこともできる。(私的使用のための複製であれば問題ないと思うが)
例として、Redditで有志ユーザーがスタンプを配っているのを、見ることができる。(著作権的に完全にアウトだが) www.reddit.com

LINE社は、無料のスタンプには使用期限を設けている。(有料のスタンプを買え、ということなのだろう)
一方で、Signalで自分で作ったスタンプはいつまでも自由に使えるので素晴らしい。
ただ、現時点では、アニメーション付きスタンプの画像は正方形じゃないといけないという制約があるので注意。 しかし、ステッカーの機能自体かなり新しいため、今後も改善していくだろう。

4. オープンソース

これはほとんどの人には関係ないだろうが、Signalのコードは全て開示されている。 github.com これには複数の利点がある。

  1. コードをだれでもレビューできるため、不具合や脆弱性があればすぐに修正できる。
    実際、Signalは複数の研究機関からセキュリティレビューを受けている。 もちろん、コードを公開していなくてもセキュリティレビューを行うことは可能だが、コードが公開されていることはそれをより容易にする。
  2. 世界中の人々からコードの変更を受け取ることで、開発費用を抑えることができる。
    先述したように、Signalのリソースは限られているため、外部からの貢献は非常に重要だ。
  3. 誰でもSignalのサービスを提供できる。
    全てのコードはGithub上で公開されているため、原理的にはそのコードを使えばだれでもSignalのサービスを提供できるようになる。
    (実際には費用などの問題が多々あるだろうが)

5. 無料

スマートフォンのアプリも、デスクトップのアプリも全て無料で使用できる。
他のアプリも無料であることが基本なので大きな優位性ではないが。


いいところばかり話したが、まだまだUIが微妙なところも多く、普及に時間がかかるのだろう。
センシティブな情報をやり取りしている人は今すぐSignalに移行した方がよい、と個人的には思う。

今年は、セキュリティについても学んでみたいなぁ・・・

#今年、学びたいこと

#今年、学びたいこと
by Udemy

正規表現クロスワード

正規表現を使ったクロスワードが面白かった。詳しくはリンク先を参照。

jimbly.github.io

パズルに慣れている人であれば、そんなに難しくないのだろうが、なかなか時間がかかった。
とっかかりとして、C*MC(CCC|MM)*のようなものをみて、まず初めのコマにCが入るとわかる。いったんそういった自明なコマを入れ終わるとようやくパズルが始まる。
終始プレイしていて、詰まるような場面はなく、見渡すとどこかしか埋められる部分が必ずあったため、なかなか楽しめたため、かなりおススメである。
ぶっちゃけ正規表現の勉強にはならないと思う。

【ネタバレ】オザークへようこそ シーズン3まで視聴した感想

Netflixのオリジナルドラマ「オザークへようこそ(原題:Ozark)」をシーズン3まで見たのでその感想を書いてみた。
以下、重大なネタバレが含まれるので視聴予定の人は見てはいけない。





シーズン3の注目ポイントは何といっても、ヘレン、ベンの死だろう。
ダーリーン、ルース、ワイアット、エマ捜査官やカウンセラーのスーなど、色んなキャラが出てくるが、正直いってどうでもいい枝葉のストーリー or シーズン4の布石でしかない。
とりあえずこの二点に絞ってシーズン3を総括してみた。

①ベンの死

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メンヘラ駄キャラ

登場時点から、ベンの存在は脚本家にとっての便利な飛び道具でしかないように感じた。
ヒルビリーという、物語の主軸から離れたところから急に乱入してきたベンはなぜここにきて急に投入されることになったんだろうか?
シーズン3のプロットから考えると、ベンというキャラクターを使って以下のようなシーンを描きたかったのだと思われる。

  1. シーズン2で犯した人殺しの罪を超える、弟殺しをウェンディにやらせたかった。
  2. ルースの恋、そして恋人を失ったことによるバード夫妻への造反への布石
  3. ヘレンとバード夫妻の仲違い→ヘレンの死でシーズンフィナーレを飾る

やはりこうやって書いてみると非常にわざとらしいというか、最初からシーズン3で駒として消費する気満々で登場させているようにしか見えない。ベンが躁鬱病を患っていたというのも、その考えを補強する形となっている。
躁鬱病を患っているのだから、どんな行動をしてもおかしくない。だから、大してつながりもない弁護士のヘレンの家まで押し掛けて秘密をばらし始めてもいいわけだ。プロットを作るうえでこんな都合のよいキャラクターはない。
しかも、最終的なカタルシスを大きくするためか、ベンはわざとヘイトをたまるように滅茶苦茶な行動ばかりするのだ。さらに同情を誘うように、そのたびに鬱状態に入り込んでメソメソとする。うっとおしいねえw
あ~、どうせこいつ最終的に死ぬんだろうな、と思ってたし、予想通り過ぎる結末で笑ってしまった。
このドラマでは、プロフェッショナルである麻薬カルテルと道理の通じないヒルビリーを対比的に描いてきたことを考えると、ある意味では躁鬱病を患った人間というのは後者と同様のカテゴリーに入るのだろう。しかしヒルビリーの面々と比べると、ベンは結末ありきで追加されたとしか思えず、感情移入もできないなんの魅力もないキャラクターだった。
このキャラクターの結末をシーズン最後まで引っ張る必要はあったのだろうか???

ヘレンの死

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弁護士おばさん
とりあえず、最後にだれか殺せばショッキングで面白くなると思ってる?
ヘレンの死の比較対象としては、シーズン1でダーリーンがカミノ・デル・リオ(麻薬カルテルの重要人物)を射殺したシーンだろう。
アメリカの貧困地域に住むヒルビリーと呼ばれる彼ら、その中でも特にイカれたダーリーンとかいうババアは、"redneck"(クズ白人)と侮辱されただけで、顔に散弾銃をぶち込んじゃう。
地元を大切にし、子供のころからの人間関係や受け継いできた伝統ばかりを大切にする彼らは日本のマイルドヤンキーを性質悪くしたような奴らで、バード夫妻やヘレンのような、ロジックや打算で動くビジネスプロフェッショナルとは違う人種だ。
それをハッキリと印象づけるためにもシーズン1の射殺シーンは必要だったわけだし、少なくとも私は衝撃を受けた。正直メチャクチャ笑ってしまった。
しかしシーズン3の最後は完全に余計だったし、予測していた通りだった。天丼かよっていうw。
少なくとも、シーズン3までで得られる情報からではナバロがヘレンを殺すための大きな動機は見つからず、プロットに粗さが目立つのも嫌だった。
仮にシーズン4で説明が後付けされたとしても、正直蛇足感が増すだけで、結局あの最後はショッキングな演出のためだけにやったんだなぁという風に思うしかない。

まとめ

シーズンを通して私が感じたのは、脚本家が、今シーズンでヘレンを殺すつもりで、逆算してシーズン3のプロットを描いたのではないだろうか?
1. ベンという便利な小道具を使ってバード夫妻とヘレンを仲違いさせる。
(なんせわざとらしいくらい自分勝手に滅茶苦茶な行動するのだ。なんでもありだから脚本書くの楽だぜ!)
2. ついでにベンのような不確定要素は用済みなのでサクッと殺して、視聴者のカタルシスを誘うと同時に、弟殺しでエモーショナルな展開も狙ってみる。
3. シーズン3はあんまり動きもなかったから、とりあえず今まで出てきた中で一番重要な人物をぶっ殺しとけば視聴者も驚きで評価爆上げや!
こんな感じ?

ウィットや皮肉に富んだスクリプトもオザークの魅力だったと思っていたが、シーズン2、3では登場人物は終始お互いに怒鳴りあい喧嘩しているシーンばかり。シーズン3では何も進まない。進展のないプロットは正直苦痛だった。
RottenTomatoを見る限り、欧米ではシーズン3が一番好評だったみたいだが、個人的には一番つまらなかったシーズンだった。
家庭内の誰かが、薬や精神病で苦しむってのはアメリカ人には受けがいいのだろうか?薬漬けの人も多いだろうし。

そんなこんなで、シーズン4は二倍速で流し見することになりそうだ。

「自傷皮膚症」「強迫性皮膚摘み取り症」や「咬爪症」を克服する方法

筆者は幼少のころから、自分の指の皮や爪を噛んでむしる癖があった。 特に親指がひどく、指の先がよくボロボロになっていた。 そうなると見た目にも良くないし、何せコロナの時代では危険極まりない。

昔からこの癖を治そうといくつか試してみたが、やっとうまくいったのでいくつか方法を紹介したい。

  1. 指を絆創膏で覆う
    こうすると、物理的に噛めなくなる。それだけ。 問題は、いちいち絆創膏をつけるのがめんどくさすぎる点だ。 あと、目立って恥ずかしい…

  2. ハンドクリームを指に塗る
    香料が気になって噛む気がなくなるため、自分にはめちゃくちゃ効果的だった。 特に香りの強い欧州産のもので、バニラやココナッツといった噛む気が失せる甘ったるい匂いのものがよい。

自分は、「YVES ROCHER」のバラっぽい匂いのやつを使っているが、かなり良い。

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ハンドクリーム

軽く調べてみた感じ、他の記事やブログには書いてなかったが、非常に効果的だと思うのでお勧めだ。

  1. は一時期は頑張ってやっていたが、結局やらなくなった。
  2. はハンドクリームを塗るだけで簡単だし、人目にも分からないので優れた解決策な気がする。

癖を治したいけど困っている人は試してみてほしい。

LINEのトーク画面に出てくる広告を本気で削除する方法

結論

sch.line.me
obs.line-scdn.net

この二つのドメインをブロックする。
ドメインのブロックの仕方がわからない人たちはがまんしようね^^


大抵の日本人なら周りからの同調圧力からLINEとかいうメッセンジャーアプリを使っているわけだが、 かなり前からトーク画面に広告が表示されるようになった。

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LINEのゴミ

このゴミの消し方をGoogleで検索すると、アフィカスが大量生産した中身のない記事が大量に出てくる。 どれも、結局広告は消せないという結論になっているため読むだけ時間の無駄である。

5chのすれやらいろいろ漁ってみると、

sch.line.me
obs.line-scdn.net

をブロックすればよいらしい。

あとは好きな方法でこのドメインをブロックすればOK。 私はAdGuardを使っているので、ブラックリストを編集した。280blockerのDNSブラックリストを導入してもOK。 AdGuardの導入方法については、以下を参照。

wikiwiki.jp

広告が邪魔で困っている人の一助になれば幸いだ。
AdGuardのインストールの仕方がわからない、などという人はあきらめて養分になろう。

以上

HPのRyzen4000搭載ノート(ENVYx360 15インチ)にUbuntu20.04をインストールする場合の注意点

前々から気になっていたRyzen4000搭載のラップトップの中でも、コスパの高そうなHPのノートENVYx360(15インチ)を購入した。
当然の如くWin10がプリインストールされているが、Ubuntu20.04をインストールし、デュアルブートできるようにした。

導入は、GUIでポチポチやるので簡単だが、新型のCPUであるためか、いくつか問題点が残ってしまったので、以下に記載する。
購入を検討している方への参考になれば嬉しい。


1. スクリーンの明るさ調整ができない

GUIからも、ファンクションキーからも無理である。 これはRyzen4000に関する、Linuxカーネル側の問題で、時期に解決される見込みのようなのでそれほど懸念事項ではない。 discourse.ubuntubudgie.org ちなみに、キーボードのバックライトの明るさ調整は、ファンクションキーから問題なく行える。

2. スピーカーが4つあるのに、2つしか使えない

HPのノートは地味にスピーカーが充実していて、ENVYシリーズでも前後左右4つのスピーカーが搭載されているが、 Ubuntuでは2つしか認識しないため、単なるステレオになってしまううえに、音質もWindowsと比べると悪い。 askubuntu.com 軽く調べてみたが、Bang & Olufsenのスピーカーをのせたラップトップでは音質が悪くなったり、スピーカーが認識されない問題が頻発しているようだ。 ドライバーはプロプライエタリだろうし、解決は期待できなさそう。2016年からすでにこの問題があったのに直ってないっていうのがね…

3. ノートを一旦閉じて、Suspendに移行すると飛行機モードがONになる。

askubuntu.com どうもHPのノートに共通する問題のようだが、まだ解決策を試していない。

4. USB Type-Cで接続するタイプの追加ディスプレイが認識されない

テレワーク用に買った、追加ディスプレイが全く認識されない。ドライバーの問題と思われる。
納得いかないのは、3年前に購入したDellのノートブックではちゃんと動くところだ。どうなってんねん。

5. powertop, tlpを動かすとハングする

あまり調べても他の事例が見つからなかったので、私だけの症状かもしれない。 そもそも最近のUbuntuでは、こういうソフトを使わなくてもバッテリー持ちは十分だと思うので影響度は軽微か。

6. 指紋認証のセンサーが邪魔

別にUbuntuの問題ではないが、重要な位置に使わないキーがあるのがもったいない。ここにCtrlキーがあったらよかったのだが…

最後に

色々問題もあって、だましだまし使っているが、物自体は悪くない。 細かい点を気にしなければ十分使えるレベルだし、開発したりブラウジングする分にはなんの問題もない。 今後も大事に酷使していきたい。

しかし、3年前に購入したDellのノートブックのではなんの問題もなかったが、やはりHPxRyzenという組み合わせはUbuntuに向いていないのかも。